[雑記]アニメ版「神のみぞ知るセカイ」女神編の最終回でせつなさ炸裂

何ともせつない話でしたよ。
女神たちを目覚めさせヴィンテージの野望を阻止するという点で、大局的には大団円となっていましたが、桂馬とちひろにとっては心に傷を残すという終わり方で、結局のところ女神や地獄云々は単なる背景でしかなく、二人のすれ違いが物語の中心なっておりました。ラストのライブで、ちひろがステージの中心で歌い、他の女の子たちは周りで見ていたりバックで演奏したりで、アイドルのかのんでさえも一歩引いた場所にいたのが、それを象徴していましたよ。
ライブの途中で女神たちが羽根を広げて、ちひろとの立場の違いを明確にする演出も印象的。ちひろが特別な存在でない自分を改めて認識して涙を流すわけですが、桂馬からすれば、女神たちは目的のために攻略していただけであって、むしろ普通の女の子であるちひろを心ない言葉で傷つけたことを悔やんで、彼もまた涙を流すという。女神の件がなければ、また違った結末を迎えていたんじゃないだろうかと思えて、ヒリヒリとする余韻を残してくれました。
この作品を一期二期、そして今回の女神編と見て来たわけですが、正直なところ桂馬という人物があまり好きになれなかったんですよね。駆け魂を出すとか女神を覚醒させるとか、それなりの事情があるにせよゲーム感覚で女の子を弄んでる感じがして。まあこの作品自体、ギャルゲーをリアルでやったらみたいなパロディ的な面もあるので野暮なツッコミだとは思うんですが。
でも今回の結末で桂馬が、女の子の攻略を成功させるハッピーエンドだけでなく、攻略を優先するあまり取り返しのつかないバッドエンドを迎えたことで、キャラクターとして大きく掘り下げられたんじゃないかなと。屋上で一人後悔する姿を見て、少し彼のことが好きになれそうな気がしましたよ。