WEBアニメスタイル リニューアル記念放談 佐藤竜雄×小黒祐一郎

大雑把にまとめると、10年前のエヴァンゲリオンで制作委員会方式が導入されて、製作現場や作られるアニメがどう変ったかというお話。制作委員会方式でスポンサーに縛られない作品が作れるようになったけど、今度は作品自体が商品になって、売れ線の無難なモノばかりになっちゃったという。女の子がたくさん出てきて主人公モテまくりみたいな。それでも最近は供給過多でDVD売れなくて赤字になるタイトルが多くて、他の売れてるタイトルで補填してるような状況だそうで。
で、そうなった原因とか業界の問題点とか打開策とかいろいろ話してるんだけど、気になったのが、
>小黒 はいはい。作り手の作家性なんていらないよ、って話ね。
>佐藤 「オナニーは受け手がするもんだ」「気持ちよくなるのはお客様の方でお前らじゃないんだ」ってね。でも、正直な事を言えば、「キッチリと作るという事が、そんなにいい事なの?」とも、思うんだけど。
>小黒 つまり、ファンが「普通に面白いものを作ってくれればいい。それ以上の事はしなくていいよ」と思っているのではないかと。
ってあたりで、なんか目の前で説教されてるような気分になったんだけど、でもなー、俺がアニメに求めてるのは、煩わしい現実からの一時の逃避なわけで、ただ見てて気持ちよくなりたいんだよね。アニメ見てまで他人の考え押し付けられたくないよっていうか。そういやナデシコとステルビアはイマイチ、ハマれなかったし、ムリョウは途中で見るの止めたしで、サトタツ作品とはどうも相性悪いんだよな俺。
確かにこのままじゃ先細りしていくだけなんだろうけど、対談の方でも「大事なのは心意気だ」とか言ってお茶を濁してたし、どうすりゃいいんですかね。
あ、あと、業界関係者の低賃金を訴える活動が、世間の同情を引くことになったけど、同時に関係者にたいする軽蔑を生んでしまったという指摘は興味深かったです。ずっと問題になってる割に全然改善されたって話を聞かないのは、ここら辺に原因があるのかなーと思いました。