舞-乙HiME 第26話「Dream☆Wing〜夢の在処」

最後はアリカとニナの直接対決に持ち込んで、でもアリカは戦おうとしないで説得してニナもそれに応えるというのが甘々なんだけど、やっぱ友情っていいもんだなみたいな。マシロがハルモニウムに突進して、弾き返されても諦めずにぶつかっていく、というのも、偽者と呼ばれていじけていた彼女の成長を感じさせ、最後の「これからじゃ」というモノローグも、平和を取り戻せば終わりじゃなくて、その後どうするのか?ということで物語に広がりを与えておりました。あとは、マテリアライズしたミス・マリアには驚きつつ「理想的に歳を重ねてきたのに」と憮然として言い放つあたりに痺れてみたり、未だにオトメだったりするアカネに同情してみたり。
集結したオトメたちが、結局アリカとマシロの露払いで終わっちゃって、それはそれで見せ場なんだけれど、せっかくローブやエレメントの設定があるんだから、もっと活躍して欲しかったとか、アリカとニナが大気圏突入しても普通に生きてるのが良く分からないとか、セルゲイが記憶喪失になるのは都合よすぎるのではとか、まあ、細かいところはあるんだけど、最後はアリカとニナの友情とマシロの成長に帰結して、よくぞ、これだけのキャラが出てくる話をまとめられたもんだと素直に感心。実に気持ちのいい最終回でした。
シリーズを通して見ると、上にも書いたとおりキャラの多さが印象的で、それでも問題なく見れたのは、前作のキャラを使い回したスターシステムのおかげだったのかなと。作る側も見る側も馴染みがある顔ばかりでキャラを掴みやすい反面、新キャラの印象が弱くなりそうなんだけど、前作の主役級をギリギリまで出さなかったりと、かなり気を使って、そこらへんは上手く回避していた感じ。キャラが増えればその分それぞれに割く時間も増えるわけで、アリカとマシロの修行をはじめ、エピソードをはしょったり、説明セリフで済ませちゃったりと気になるところもあったけど、結果として物語の密度を高める方向に働いていたように感じました。スターシステムと言えば手塚治虫の漫画が有名だけど、アニメでも定着したら面白そう、などと思いましたよ。