初恋限定。 第9話「その思い出には満開の」

いつものコメディ色は控えめに、初恋のタイトルにふさわしい切ないエピソードになっていましたよ。
中学生組の千倉名央の当番回ということで、美術部に所属する彼女と、彼女が目標とする絵を描いた先輩が、共同で絵を描く中で恋心が芽生えるみたいな初々しいお話。
絵に対する情熱が二人を結びつける一方で、それ故に先輩が自分の選んだ道のために旅立つというのが青春ものらしい作りとなっていて、二人が一緒に描いた絵に、去っていく先輩が最後に描いたものが明らかになる場面は、なによりも彼の気持ちを代弁しているようで感動的でした。
作画的にはもちろんのこと、カットの一つ一つが丁寧に作られていた印象。千倉が手紙を読むところからの、桜の花をモチーフにした演出が素晴らしかったです。
サービス面ではこれといったモノがなかったけれども、まあ今回みたいな話で入れられても、自分が汚れていることを自覚させられるだけなので無しで正解かなと。
二人の話の合間に、バレンタインの件の後始末をキチンとつけているのは細かいフォロー。同級生のメガネ君はいいところなしでしたが、ここからどう動くかで男としての真価が問われるわけで、彼にもがんばって欲しいところ。