咲-saki- 第10話「初心者」

次鋒戦。メガネっ子大集合だったりするわけですが、闘牌シーンがあまりなくて、ほとんど先鋒戦の後始末と中堅以降の対局に向けての前振りになっているという。
控え室に戻って来た優希の様子を見て、和が咲を連れ出したり、ひと泣きした優希が部長にもたれかかっているところに京太郎が戻ってきて、その瞬間に優希がいつもの状態に戻ったりと、人間関係における細かい描写が秀逸。半べそ状態の優希の演技も破壊力がありました。
対戦相手の各校も、それぞれの雰囲気の違いが出ているのがおもしろいところで、各校のキャラクターの一人一人に表に出てこない細かい設定があるんだろうなぁと思わせる作りでしたよ。
咲と和の添い寝イベントは、決勝戦の最中のこのタイミング持ってくるのが、あまりにも予想外。まあ脇役の動きを見せるために、とりあえずメインの人物を脇に置いておく意味もあると思うんだけれども、それを百合色な展開に持って行くのが凄いなと。意識しまくりの和とあくまで友達として接する咲のギャップがたまらないところで、スカートを脱ぐあたりも妄想を刺激してくれて大変よろしかったですよ。
予選の対戦相手が腹いせに和のペンギンを持ち出したり、それをカツ丼さんと衣が見かけたり、拾ったペンギンを衣が届けることになったりと登場人物のつながりが広がっていくのが楽しく。また、カツ丼さんと衣が因縁の再会を果たすのかと思ったら、カツ丼さんが衣を一方的に子供扱いしてラブラブなんだけど、でもやっぱり勝負の結果は気にしているみたいな関係も面白いなと。衣のデフォルメぶりが可愛らしかったですよ。
次鋒戦の対局はサブタイトルどおり、鶴賀の次鋒の初心者ぶりに焦点が当たる展開。手牌を三枚ずつ分けて置いたり、リーチをかけても点棒を出さなかったり、ツモっても牌を倒す前に裏ドラを確認したりと、初心者がやりがちなことを全部やって見せるのには笑ってしまいましたが、開いてみれば四暗刻という驚きの結末。
その後も、過去に見た対局を記憶しているというまこや、いつもPCを弄っていてデータ重視らしい龍門渕の次鋒が、手も足も出ないままに終わって、部長の短期決戦なら素人がプロに勝つこともあるというセリフどおり、麻雀というゲームのひとつの側面を描くものとなっておりました。確率重視の打ち筋が結局のところ強さを決めるわけですが、時としてランダムに積まれた牌という不確定情報がそれらをひっくり返すこともあるわけで。
いよいよ中堅戦というところで次回へ続くわけですが、龍門渕の一が身につけている鎖に、深い意味があることが仄めかしつつ、風越キャプテンによって部長の過去とやはり実力者らしいことが語られるということで、期待を持たせてくれるところ。このタイミングでキャプテンが思い出すのは出来すぎの感もありますが、牌譜で部長の打ち筋と、彼女が髪を縛った姿を見たからということで、ちゃんとキッカケが用意されているのが細かいところ。