「名コンビが手がける日常的ファンタジー『絶対少年』 伊藤和典×望月智充インタビュー 」 前編 後編

絶対少年のシリーズ構成と監督へのインタビュー。
個人的に興味深かったのが、ここらへんのくだり。

―― 伊藤さんは、今の画面をなんとなく想像して、望月さんを希望されたっていう事だったんですかね。
伊藤 そうですね。……望月君って、無茶なカメラアングルをよくとるじゃないですか。ああいう見せ方の工夫がないと、これはもたないな、っていうのがあったかな。
―― 非常にフェティッシュな感じで、いいですよね。
望月 普通の作劇では、あるシーンには何か意味があって、そのシーンの中で何かが起こって、それが後に影響をもってくると思うんだけど、『絶対少年』では、キャラが出てきて何かを見て、歩いて、何かをまた見て、でも後に続く意味が何もないシーンというのがあるわけですよ(笑)。それを舞台劇みたいにやったら、とてもじゃないけど退屈で誰も見てくれないじゃない。

監督の趣味でやってるのかと思ったけど、視聴者が飽きないようにという配慮だったんですな。
あと、キャラクターデザインについても

―― さっき、女の子を可愛く描く事についての話が出ましたが、『絶対少年』って、フェティッシュですよね。美紀の太股が画面にバンと映ると、凄くドキドキしますよ。
望月 まあ、それに関してちょっと真面目な話すれば、キャラクターをリアルに描くという時に、線を多くすればリアルになるという方向性もあるよね。で、『絶対少年』では、影も入っていないし、細かい描き込みもタッチも入ってないんだけど、輪郭はほんとにリアルな、肉の線なのね。それは関根君が考えるリアルな描き方なんだけど、それは非常にいいなと思ってる。そうすると、太股がそこにあるだけで、何かが違うんですよ。だから、太股見せただけでみんなドキドキするでしょ。ネットの感想でも、足の指が開いてるとか、そんな事で結構食いついてくるじゃない。
―― ああ、足の指を開くシーンは、エロティックでしたね。キャラクターが肉感的と言うべきなのかな。
望月 うーん、肉感的と言ってもね、じゃあ巨乳にすればいい、みたいな発想もあるだろうけど、そうじゃなくてね。潮音なんか胸は全然ないんだけど肉感的でしょ。それは関根君の功績が凄く大きいね。

とあって、このアニメのエロさの秘密に触れたような気が。
って、なんかエロの話ばっかり取り上げてますが、アニメ化されるまでの経緯や田菜のモデルを丹那にした理由等々の裏話があって、このアニメが好きな人なら、興味を引かれる話があるかと。
ただ後半の頭の

―― ちょっと話は変わるんですけど、『絶対少年』って、今のアニメの文脈に上手く収まっているなあというか、今風のアニメだなあ、というのがこちらの感想なんですよ。

っていう質問はどうなんだろ。あえてズレたことや対象者が不快になるようなことを言って、本音を引き出すというのもインタビューのテクニックとしてあると思うけど、これは単に外してるだけのような。