蟲師 第24話「篝野行」

「蟲を火で焼き払ったために報いを受けました」で終われば、ありふれた安っぽい教訓話になるところだけど、もう一歩進んで住処をかけた生き物同士の争いといったところにまで話を持って行くのが、さすがといいますか。同じテーマを扱った「綿胞子」のエピソードでは、「強い方が子孫を残せる」とギンコが言っていましたが、その強さとは今回の木を切る場面での「知恵で何とかする」ということなのかと思わせ、話の順番がちゃんと計算されていることに感心。ギンコの知恵で、女蟲師は一命を取り留めるわけですが、体内の蟲を抑えるために蟲の持つ力を利用するというのは、善悪や敵味方で割り切れない人間と蟲との複雑な関係を表しているようで、報いという捉え方が既に人間の一方的な考えなのかなぁと思いました。