時をかける少女

夏の話題作のふたつめ。往復4時間かけて観て来ましたよ。
とにかくヒロインの真琴が元気いっぱいで、笑うときも泣くときも全力投球なところが気持ちよかったです。
時間を飛ぶという力を食べ損ねたプリンを食べるといった身近な出来事をやり直すことだけに使うところが微笑ましくて、飛ぶたびに大げさに転げ回ったりしてアニメ的な面白さも満載。時間を巻戻すことでズレが生じていく不気味さや、それを引き起こしたことで生じる罪悪感が、徐々に大きくなっていく様子も緊迫感がありました。
特に最後に時間を飛んだ後、グラウンドへと走る彼女を横から追いかける場面は圧巻。スピードが落ちて画面から消えそうになって、そこからまたスピードを上げてと、走る姿だけで彼女の葛藤を見せるのには感心しましたよ。最後は、ちょっとほろ苦さの残る終わり方だったけれど、それでも前向きな真琴の姿がすがすがしい余韻を残してくれました。
実のところ個人的に細田作品と相性が良くないというか、道路標識をはじめとする作為を前面に出した演出があまり好きになれなくて、絶賛の嵐に対してもちょっと斜に構えたりして、あまり期待はしてなかったんだけれど、蓋を開けてみれば、そんな苦手意識を持っていたのがバカらしくなるような快作でした。まあ、今回も出てきた標識は、やっぱり気になっちゃいましたが。