みなみけ 第13話「恋のからまわり」

年末でもマッタリかと思ったら最後にちょっと一捻り。これまでは仕掛ける側で、今回も怪しいジュースを一人だけ飲まずに状況を楽しんでいた夏奈が、終わり際に予想外の人物の活躍によって貞操の危機に陥るというのが、これまでのパターンをひっくり返す締め方でしたよ。またその状況が、コテコテな展開の寄せ集めでほとんどギャグ扱いだった劇中ドラマが感動の結末を迎えるTVの前で生まれるというのが、劇中ドラマよりも登場人物たちの方がおバカっぽいということで、もうひとつの意味で逆転しているというか、ドラマのあの流れから考えたら夏奈と速水の二人も行くところまで行くしかないというか。速水が唇を突き出すところが、妙に生っぽく描かれているのがいやらしく、ツイスターでの舐めるようなアングルや寝込んだ春香たちの無防備な姿が大変よろしかったです。
保坂は保坂で最後まで一方通行のまま気持ち悪くて、ボタンをひとつ外すたびに噴き出してしまったり。マコの晴れ着姿のお披露目から、吉野の一言で現場が混乱するあたりも笑いましたよ。

・まとめ
「過度な期待はしないでください」というナレーションどおり、三姉妹とそれをとりまく人物たちの日常を描く物語だったわけですが、登場人物たちがどこか微妙にズレているおかげで、普通にありそうな状況から話が変な方向へと転がって行くのが面白かったですよ。クラスメイトの男子が長女に憧れたせいで三女に嫌われ、次女にそそのかされてなぜか女装をすることになるみたいな、人間関係の連鎖もよく出来ておりました。
最終回で千秋の頭のアレがプニプニ動いたりするのをはじめとする作画的な遊びが楽しかったりもしましたが、もう少しがんばってほしいなぁと思うことがちらほらとあったりもして、それでも毎回入るフェティッシュなカットにはこだわりが感じられて良かったです。
個性的な登場人物を使っていくらでも話が作れそうだし、これで終わってしまうのがもったいないんだけれども、キャラデザを一新し、仕切り直してはじまる「おかわり」についても期待したいところ。