狼と香辛料 第2話「狼と遠い過去」

為替や貨幣への投機といった経済に関するネタを盛り込みつつ、ホロとロレンスの会話が楽しい作りでしたよ。顔を見ようとした若い商人のあしらい方や、怪しげな儲け話に乗るか否か迷うロレンスを誘導して彼自身に答えを出させる話術と、ホロの老獪さが印象的で、その容姿やロレンスの前に裸体を晒したりジャガイモを食べたりするときの動物ような振る舞いとのギャップが魅力的でした。
前回は特に意識している様子のなかったロレンスが、服を脱いだホロを見てちょっと気まずそうな反応を見せるあたりに、彼のホロに対する認識の変化がうかがえるものでしたが、終盤の狼が人を襲うことについての会話が、お互いが別の世界を生きてきたことを強調するものとなっておりました。ホロが、ロレンスにあえて答えにくい質問をさせるように仕向けることで緊張した空気を和らげるのは、安心感のある終わり方となっていたんだけれども、その巧みさに彼女の経験の深さが現れていて、どうあがいても彼女の尻に敷かれそうなロレンスに同情もしてみたり。