シゴフミ 第2話「ロケット」

取り返しがつかなくなってから思いが伝えられて、そのすれ違いが悲劇を招くという切ない結末。ヒロインのやったことや彼女が廃ビルの中で受けていたことは陰惨で、その最後も救われないものではありましたが、少年の思いを受けてロケットを打ち上げるという、それ以外には何の意味もない行為を行うことによって、彼女と少年の純粋さが際立つものとなっておりました。ヒロインにシゴフミを信用させる働きをしたり、ロケットに託された思いを強調したりと少年の無茶なくせ字の設定が秀逸。あそこで若い刑事が発砲するのはちょっと苦しい気もしましたが、直前に純粋な犯罪者云々の老刑事のセリフがオーバーラップされていて、その理由は分かるようになっていて、設定と物語の展開が非常によく練られていましたよ。
少年とロケット少年のヒロインに対する思いや最後に妹に手渡される手紙、そして物語の発端となった父親の歪んだ憎悪と、それらのすべてを等価なものとして扱うシゴフミの冷徹な設定が印象深いものでした。