CLANNAD 番外編「夏休みの出来事」

最終回のその後を描く番外編。季節が夏を迎えてつき合い始めて数週間たつのに、未だに手を繋いだこともないのには、どんだけピュアな二人なんだよとか思ったりもするわけですが、ギャグを交えつつ、春原妹の活躍によって少しだけ仲が進展するということで楽しいお話でしたよ。
春原妹の早苗のパンに対する感想や客引きのあくどさから、そこはかとなく漂う腹黒さがなんとも言えない味わいが。渚に対するアドバイスはいろいろと無理があるんだけれども、結果として成功するのはお約束といったところで、朋也をリードしようとして無理をする渚がとても可愛らしくてよかったですよ。
照れたり目を潤ませながらこちらを見つめたりと、女の子の表情がいつもながらに丁寧に描かれていて素晴らしく。春原のオーバーリアクションをはじめとして、笑いを取る場面でも手を抜かずに細かい動きをつけるあたりもさすがといったところで、ベタなネタにもかかわらず楽しめるものとなっておりました。
 
シリーズ全体としては、京都アニメーションのブランドを裏切らない丁寧な作りとなっていましたが、後半にあまり出番のない人物のエピソードにかなりの時間を割いたりして、話数の配分に疑問を感じてみたり。クライマックスのヒロインの最大の危機で、主人公が何も出来ずにいるところに父親が出てきてそれを解決するあたりも腰砕けでしたよ。まあ続編が製作されていることが発表されたので、そちらでフォローが入ることに期待するということで。