純情ロマンチカ 第12話「袖すり合うも他生の縁」

宇佐見の文学賞受賞を機に、美咲が彼との関係を捉えなおして対等の立場になろうとするわけですが、健闘空しくあっさりと手玉に取られてしまうという。
宇佐見が自身をあまり語らないことに苛立ち感情を爆発させながらも、その後で彼の気持ちを察して兄についての話をやめさせたり、彼を押し倒しつつもその続きが上手く出来なかったりと、美咲の未成熟な可愛らしさが描かれておりました。BLを扱う作品の中で、BL小説を読んで恥ずかしがったり突っ込みを入れたりするメタなネタも面白かったですよ。
シリーズ全体としては、BLということで特定の人たちでないと理解できないアニメなのかなぁと思っていたわけですが、恋愛モノとして見ても定番を押さえた作りとなっていて、男同士という点を除けば普通に楽しめるものとなっていた印象。男同士であることも下手に誤魔化すのではなく、その不自然さを登場人物たちに積極的に語らせることで、見る側としてもそういうものなんだと割り切れるようになっておりました。
三組のカップルを描くというオムニバスな形式についても、要するにそれぞれが結ばれるという同じパターンの話となっているわけですが、キャラクターの立場や状況を変えることでそれぞれに違った面白さがありました。
独自の発展を遂げているジャンルを一作だけ見て判断するのも早計かもしれませんが、BLというものの楽しみ方を知ることが出来たように思いましたよ。