魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜 第1話「美瑛にて」

背景が凄かったですよ。建物や家具、木や草や線路の石のひとつひとつまで、それぞれの存在を主張するかのように微細でリアルに描き込まれていたわけですが、一方で登場人物たちが濃密な背景の中に埋もれているようにも見えてしまって、どうにも印象が薄かったりもしましたよ。
線が少な目で平板なキャラクターデザインもその印象を強めていて、田舎の人と聞いて思い浮かべる要素を抽出してそれを割り振っただけのように思える個性のない人物たちや、存在感の強い背景のせいで、まるで夢か死後の世界の様相を呈しておりました。正直人物たちの薄さが怖かったです。
とりあえず試みとしては今まで見たことのないものであるわけだし、今回は導入で東京に出てから本格的に話が動くことになるんだと思うので、次回以降、登場人物たちに生気が宿ることに期待。まあ、この路線を突き詰めるのもそれはそれで見ものではあるので、追求した結果何が生まれるのかも気になるところではありますが。