喰霊-零- 「全話を通してのまとめ」

何はともあれ1話と2話が衝撃的。何が起きてるのかよく分からないけど、続きを見ないことにはスッキリしないということで、見る側の関心を引くという意味では良く出来ていましたよ。
その後の2話に至るまでを描く長い回想も大変充実した内容となっていて、最後に訪れる悲劇を盛り上げるのにふさわしい出来映え。百合ありコメディありと、各話がバラエティに富んでいたのも楽しかったです。
4課の全滅はインパクトがありましたが、結局それ以外では深く関わって来なかったのがもったいなく。4課のリーダーの回想が、8話で黄泉が蝶を見つけた時のそれと同じなあたり、何らかの関係があることが示されてはいたけれども、それ以上掘り下げられることがなかったのが引っかかってしまうところで、フォローが欲しかったなと。
また黄泉が暗黒面に墜ちるまでは、確かに悲惨ではあるけれども、ちょっと食い足りなくもあり。墜ちてからの行動も、死をまき散らすらしいけれども、かといって闇雲に暴れまくるわけでもなく目的が分かりづらかった印象も。抵抗しながらも殺生石に操られて衝動的に動いていたということなんだと思いますが。
殺陣や霊獣同士のぶつかり合いといったアクション的な見せ場は力の入った作画となっていて見応えのあるものに。インパクトのある場面からはじめてそこに至るまでを丁寧に掘り下げるということで、総じて神楽と黄泉という姉妹の物語として、悲劇的ではあるものの心に残るものとなっておりました。
今のところBDでの発売の予定がないのが残念。良い作品なので良い画質で改めて鑑賞したいところなんだけれども。