純情ロマンチカ2 「全話を通してのまとめ」

男同士の恋愛ということで、描かれる揺れる感情の機微は十分共感できるものとなっていて楽しむことができましたよ。二期目に入ってからは一期に続いて肉体関係のある二人を掘り下げていくということで、男性向けのアニメではここまで踏み込んだものがちょっと見あたらないだけに新鮮さと深みが感じられました。
美咲に対して好意を寄せる女性キャラの登場や、男同士で関係を持つことに伴う社会的な困難の提示によって、物語が更に深まることを予感させながらも終わるのは、ちょっともったいないところで、ここら辺は続編に期待。
全体を通して映像表現としては平凡で、登場人物の作画が安定している事だけが取り柄といったところですが、むしろ男同士というキワモノっぽい関係を変に構えることなく見せることで、そこで描かれる心理が普遍のものであることを強調しているような気もしましたよ。作中で一方の人物が同性に惹かれることについて葛藤するあたりも、緩衝剤として機能していた印象。
BLということで原作は存在すら知らず、アニメについてもはじまった以上、一話目くらいは見ないとというオタクとしての義務感から見始めたわけですが、結果としては自分の目の届かないところにも、優れたものがまだまだ存在することを知ることとなりました。二次元といえども、その世界は広いんだなと。