君に届け 第11話「とくべつ?」

くるみこと胡桃沢梅の本性が露わになるということで、風早が好き宣言で爽子に先制攻撃を仕掛けるものの、天然でどこまでも自分に正直な彼女にあっさりとキャンセルされ、ついに本音が出るという展開。
自分が人気者だから風早に相手にされない云々は、自意識過剰というかそれは爽子みたいな立場の人物が自分を哀れんで言うセリフじゃないかとかで笑ってしまいましたよ。まあたしかに、くるみは周囲から好意を持たれているわけですが、肝心の風早の興味は引けず、むしろ彼の気持ちは爽子の方に向かっているわけで、キレる気持ちも分からなくもないわけですが。
劇中の恋愛ドラマの場面のように、天然キャラは特に意識しなくても周囲から愛され、ライバルからは嫉妬される、みたいなのがありがちなパターンとしてあるわけだけれども、この作品ではそこら辺をちょっとずらしているのが面白いところかなと。話の中心にいる爽子が天然でありながらも、当初は周囲から避けられる存在であり、受け入れられるよう努力をするという意味において。ここら辺がイヤミにならない秘訣なのかなぁと思いました。
本性を見せた後も一緒に風早を応援することになったりして、くるみも爽子のペースに巻き込まれていくわけですが、終わり際になって真田の存在が急浮上。爽子が真田に興味を抱くよう、まるで暗示をかけるかのごとく話を持って行くくるみの腹黒さがステキでしたよ。
風早君は今回も爽やかさいっぱいでしたが、応援に来た爽子とくるみに気付くところで、彼の主観視点の画面に爽子だけが入っているあたり、彼女以外は眼中にないことが改めて強調されておりました。あれだけアタックをかけながら、その他大勢の一人としてしか認識されていないくるみに、さすがに同情してしまいましたよ。一連の行動が、爽子にとって風早はどういう存在なのかと再確認させる方向に働くのも皮肉というか咬ませ担当というか。