ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第2話「初陣・椅子ノ話」

今回からOPに絵がついて、これが完成形となっている模様。クリムトの絵画をモチーフにして、絵の中の人物を作中の人物に置き換えたものを見せるという静的な作りで、監督を務める神戸守が、以前に手がけたエルフェンリートでも同じ手法を使っていたりするので、やっぱり彼の趣味だったりするのかなぁと思いましたよ。聖歌のような曲によって荘厳な雰囲気を出していたエルフェンリートのそれと比べると、曲調が異なるせいか穏やかな印象を受けるところで、ここら辺に作品の方向性の違いが反映されているのかもしれず。
話の内容的には、新入りのカナタが先輩であるクレハから邪険に扱われながらも幽霊騒動を通して部隊の一員として受け入れられるという展開。クレハによる砦の案内というかたちで、舞台となる世界の設定や部隊の置かれている状況が語られ、砦といいつつも国境の先は広大な無人地帯で備えるべき脅威もなく、部隊の中心である戦車は直る当てもないままに修理中と、戦闘が起きることもなく、また起きたとしても戦える状態にないことが分かるようになっておりました。前回描かれた、街を守った乙女の伝説を考えると、女の子ばかりで砦にいることに何か意味があるんだとは思いますが。
クレハがカナタを邪険にする理由は、先輩たちの愛情がカナタに向かうことを怖れていることに加え、部隊の貧弱さに劣等感を抱いていることがうかがえるところ。
前回はカナタのグダグダな演奏で話を閉じた一方で、今回はリオによる見事な演奏で閉じるあたりは、カナタの来訪により砦にちょっとした不和が生じたものの、それが解決されて新しい秩序が生まれたことを象徴するものとなっておりました。前回とは打って変わって、5人と一匹だけで話を進めるあたりも砦内の人間関係を描くことに力を注いでいた印象。
また音楽室の場面で、カナタによる想像という形で挿入される学校の制服を着た彼女たちの姿は、我々の世界であれば学校に通っているような女の子たちが兵士になるような世界ということで、マッタリとした日常を描きながらも、その背後に不安感を際立たせているように思いました。緻密な背景は今回も素晴らしかったですよ。