シムーン 第25話「パル」

「どこまでも堕ちて行く」云々というパラ様のセリフがカッコよかったですよ。性別を選んで大人になることへの覚悟みたいなのを言葉にした感じで、長いヘタレ期間を経た彼女だからこそ出せる説得力がありました。堕ちるという言葉で坂口安吾堕落論を思い出したんだけれど、あれも戦後の混乱を受けて、堕ちることによって新しい道を切り開くことができるみたいな内容なので、シビュラとして生きることを否定された彼女たちを描くにあたって影響を受けているのかなぁと。
泉に入ったシビュラたちの性別は、予想通りだったり違っていたりといろいろと。男になると言っていたパライエッタやモリナスが結局女を選んだ理由は、自分で説明してたり男の存在があったりで分かるんだけど、フロエが男になった理由がイマイチ不明で、でもその分からないところが彼女らしいような気がしましたよ。他のキャラクターの性別は話の流れから大体納得できるところで、ユンがオナシアの後を継ぐのも死んでいった仲間たちのことを気にかけていた彼女らしい選択。Aパートの終わりのアイキャッチが彼女がこれから背負っていくものを象徴的しておりました。
前回からの続きでメインのキャラクターたちが性別を選んだ後を淡々と描いていた物語が、アーエルとネヴィリルが拘束されたところから、もの凄い勢いで盛り上がって二人が脱出したところで終わるのは、あいかわらずの見事な引っ張り方。登場人物たちの期待を背に飛び立ったアーエルとネヴィリルが、最後に何を見せてくれるのかと今から期待が高まりますよ。