桜蘭高校ホスト部 第26話「これが俺たちの桜蘭祭」

いろいろと無茶だったような気がするけど、勢いがあって盛り上がる最終回でした。
去っていくのが環でそれを引き止める王子役がハルヒというのが、自ら行動するヒロインといことで今風な感じでよかったですよ。ハルヒが手綱を握る前にカツラと上着を脱ぎ捨てるんだけど衣装はスカートのままなところが、お姫様であることを否定しつつも女の子であることはやめないみたいな感じで印象的。
環とホスト部の話の裏でキチンと鏡夜と父親との確執にも決着をつけていたのもさすがで、ホスト部のメンバーが舞踏会で踊る中、父親たちの口からハルヒ争奪戦がこれからも続くことを語らせるのも渋い演出。
作画が丁寧かつよく動いていて、最終回に相応しい仕上がりで大変満足のいくものでしたよ。
 
・まとめ
怪しげなタイトルのせいではじめは女性向けかと思って、実際にメインキャラが美形の男ばかりなんだけれど、蓋を開けてみればキレのあるギャグと濃い目の心理描写で性別に関係なく楽しむことが出来たのがうれしい誤算。
登場人物が抱える心の問題をホスト部という場で解決する展開を積み重ねて、最後に母親の死以来、物事に対して冷めたところのあるハルヒが、環を引き止めるために疾走するという熱い展開に結実させ、爽快感のある最終回を作り出しておりました。
一話の電球をはじめとする謎めいた小道具の使い方や、作中の人物でありながら、立ち位置が半歩くらいずれているれんげさんの異質な存在感が印象的で、ここら辺は全話の脚本を担当した榎戸洋司ならではの味になるんでしょうかね。
シリーズを通して作画が高いレベルで安定。絢爛豪華な背景もいい仕事でした。