金色のコルダ 第25話「愛しのアヴェ・マリア」

最終セレクションに挑んだ日野が、これまでのことを思い出しながら演奏をするということでいい最終回でしたよ。
登場人物たちが音楽への、そして日野が他の登場人物へ、他の登場人物たちが日野への想いを語るのはこの作品でこれまでに描いてきたことの集大成とも言えるものでなかなかに感動的。柚木が当たり前のように帰ってきたり、第一セレクションで日野を陥れた女の子が改心して再登場したりと驚きの展開も楽しかったですよ。
日野のバイオリンが恋人宣言には、せっかく立てたフラグがもったいなくも思えたけれど、終盤の音楽と真摯に向き合う彼女の姿を考えると納得できるところ。最後に男性陣が彼女のために演奏をするところはニクい演出で、オープニングの曲に合わせて子供たちと演奏する姿で締めるのはキレイなまとめ方でした。
作画的には回想が多かったけれども、演奏する場面は気合が入っていて、特に月森と土浦の演奏は、楽器の演奏という動作をアニメでここまで見せるのはちょっとなかったなぁと感心させるものとなっておりました。
 
・まとめ
はじまったころは魔法のバイオリンやらイケメンばかりの登場人物やらであまり興味が惹かれるものではなかったんだけれど、合宿の話あたりから登場人物たちの内面や関係性が掘り下げられて面白くなった印象。ご都合主義に思えた魔法のバイオリンについても、日野が自分の力で演奏してないことに悩み、それを失ったことで音楽と真剣に向き合うということで、非常に重要なアイテムとして生かされていたのも巧い扱い方でした。
日野花穂子というヒロインも魅力的で、女性向けゲームが原作にもかかわらず最後まで見る事が出来たのは、彼女の素直で前向きなキャラクターのおかげなんだろうなと。音楽を通して出会いや成長を描くいい作品でしたよ。