sola 第13話「ソラ」

3人の関係に決着をつけるいい最終回でしたよ。茉莉と依人が決心したことをやり遂げるだけで、特にサプライズが用意されていたわけじゃないんだけれど、二人の最後の時を迎えても軽口を叩き合う信頼の厚さや、説得を聞き入れない蒼乃を強引に人間に戻すことへの迷いのなさが印象的でした。
後半でその後の登場人物たちの日常を描くのは余韻を残すエピローグ。二人は消えてしまったけれど、残されたキャラクターたちに何かを残したことを感じさせるものとなっていて、特に人間に戻った蒼乃と石月姉妹が再び出会って新しい生活を始めるくだりは、二人の気持ちが蒼乃に届いたことを思わせる描写でしたよ。折り紙やトマトしることいった小道具の使い方や、夜明けの空の撮影はじめとする一話を思い出させる場面は、シリーズを通しての統一感を与えるものとなっていて、終わりであると同時に始まりであることを印象づけておりました。
まとめとしては、1話の前半や5話で茉莉と依人が街を散策する場面の落ち着いた演出が素晴らしく。中盤の茉莉と蒼乃の因縁や主人公の正体が明らかになってからの急展開にはどうなることかと思いましたが、ラストはキチンとした結末を見せてくれて、シリーズを通して丁寧に作られ、心に残る作品となっていたように思いました。贅沢を言うなら、作画にもう少しがんばって欲しかったかなと。特に悪いわけでもないんだけれど、かといって目を引くところもないという感じだったので。