エヴァンゲリヲン新劇場版:序

10年前に終わったはずのエヴァンゲリオンを今更リメイクするのもどうなんかなぁという気がしなくもないんだけれども、まあ見ないことには何とも言えないので見てきましたよ、とりあえず。
ストーリーはTV版の6話までの再編集。シンジが父親に呼び出されるところからはじまり、ヤシマ作戦でクライマックスを迎えるという作りで、強引にエヴァに乗せられ一人で戦っていると思い込んでいたシンジがミサトやレイとの関わりを通して、戦うことの意味を見出すまでが上手くまとまっていたように思いましたよ。シンジと綾波の接近がゲンドウの計画の一部であることが明確にされていたり、終わりの方で旧作の終盤での重要人物だったある人が顔を出したりと、TV版のように後付設定を繰り返すような作りではなく、四部作全体を通しての構成も考えられている様子。
作画はすべて新規に描いたらしいんだけれども、レイアウトを流用している場面が多々あるせいか、既視感の方が強くてあまり恩恵が感じられず。エヴァの発信シークエンスや第三新東京市のビルが格納される場面での細部のこだわりがより増していて、TV版ではただ浮いているだけだったラミエル(正八面体のアレ)が攻撃のたびに複雑な変形を見せるあたりも凝った映像となっておりました。
細かいところではブラッシュアップされていて、それはそれで見ごたえがあるんだけれども、基本的な筋が同じなので、正直なところ作り直す意味があまりなかったような印象。まあ四部作だし、「予告」を見た感じでは、この先の展開が旧作とは別物になりそうで、今度はキチンとまとめてくれるのかなぁという期待もしてしまうわけですが。