キスダム -ENGAGE planet- 第25話「始暁 ハジマリ」

ついに最終回。見る前には、ただアニメを見るだけのことなのに、ようやくここまでたどり着いたみたいな妙な達成感みたいなの覚えたりもしましたが、はじまった瞬間にそんな気持も吹き飛ばされる超ジェットコースター展開。
とりあえず言えるのは、かつての仲間であり平行世界のネクロダイバーであるロキやアグリに助けてもらったのに結局キーアイテムは鏡かよということと、退場するのが唐突なら復活するのも唐突なナナオがすごかったことと、にも関わらず、二人のシュウがそれぞれの世界で同時にユノから選択を迫られ決断を下す場面が熱かったことと。
話的には詰め込みすぎで分かりにくかったけれど、主人であるユノが死んだのでヴァリレイが彼女を生き返らせようとしていて、その方法がネクロダイバーを戦わせることだったんだけれど、復活させる条件を満たしたアイバがそれを拒んだので、ユノが消えてネクロダイバーの繰り返される戦いに終止符が打たれて、世界も救われたというったところでしょうか。ことの始まりからしてユノを死なせないためだったりして、彼女を中心に動く物語で、アイバのユノ一直線ぶりもなんだか納得。
かなり無理矢理ではあるけれどメインの登場人物全員に見せ場が用意されていたのは好印象。艦長をはじめとして絶望的な状況を何とか乗り切ろうとする姿は話を盛り上げてくれました。エピローグのとってつけたような彼と真崎の因縁らしきものや、ナナオと鳥を重ね合わせる場面がよく分からなかったりするあたりはご愛嬌。妖精さんたちの出番がほとんどなかったりしたのが残念でアイバと共に戦う姿を終盤でも見たかったなぁと。
最後の3話くらいにかなり強引に詰め込んだ感はありましたが、命の意味や絶望的な状況でも諦めないみたいな、作る側のやりたかったことは伝わってくる最終回でした。
・まとめ
とにかく最後まで放送しきったことが感動的。4話の総集編の時点で製作現場が崩壊していたことは素人目にも明らかだったわけですが、そこから週一回の放送を継続しつつ現場を立て直してストーリーを盛り上げていくのが、綱渡り的な面白さがありましたよ。作ってる方はシャレにならない状況だったと思うんだけれど、傍目から見る分には。
常にギリギリな作画や強引なストーリー展開で、キャラクターの行動が突飛過ぎて理解出来なかったり設定が後付に後付けを重ねているようにも見えるんだけれど、よく見ていると、あとでその理由付けがなされているのにはちょっと感心。三妖精が玲に近づくと力を失うのは、どちらもヴァリレイによって作られた存在だからとか。まあロキさんの逆ギレは最後までよく分からなかったですけど。主人公であるアイバのユノ一直線な行動が最初から最後まで一貫していて、行き過ぎていて時にギャグにも見えたりしながらも、そのおかげで物語の方向性を見失わずにすんだように思いました。
決してよく出来た作品ではないけれど、先の読めない展開やコーティング剤で防御力アップみたいに面白くなりそうなアイデアがあればとりあえず入れてみるあたりに、作る側の何とかしようという気迫が伝わってくる怪作となっていて毎回ワクワクしながら見る事ができましたよ。とりあえず買うので、DVDはキチンと発売して欲しいところ。