BACCANO! 第9話「クレア・スタンフィールドは忠実に職務を遂行する」

レイルトレーサーの正体が明らかになるわけですが、はじめの方の話で死体で見つかったはずの若い方の車掌その人だったというのには驚きましたよ。彼が白服と黒服の連中を次々と消していく理由は、恩のある人ための復讐ということで動機は理解できるんだけれど、やり方が汚いというか極端すぎるというか。これまでに登場した人物と比べても引けを取らないインパクトの持ち主となっておりました。
久しぶりに話の中心に来たラッドは今回も絶好調。仲間の死体を見て、その状態の酷さに興奮したり思い出したように同情したりやっぱり興奮したりと、感情の起伏が滅茶苦茶で凄惨な状況なのにちょっと笑ってしまったり。血の海の中で地団駄を踏んで服に血が飛び散るところは、思わず目をそむけたくなるんだけれど、その場面が、ラッドの興奮を抑えきれないといった感じの動きがやたらとよく描けているという作画的に一番の見所になっているのが皮肉な作りでした。ラッドを演じる藤原啓治は今回もノリノリで、興奮を抑えようとしているのにどうしても止まらないった様子が素晴らしかったです。
ラッドに食堂車の乗客を殺害するように頼む少年が衝撃的。とりあえず殺して不死者を見分けようということなんだろうけれど、人を人と思わないその合理性は死を超越した人物ならではといったところ。ダラスも不死者(不完全な方だけど)になって、これまで断片的な描写を積み重ねてきた物語に徐々に繋がりが見えてきて面白くなってきましたよ。