狼と香辛料 第3話「狼と商才」

りんごを前にしたホロの、単に食い意地が張っているだけに見える行動が、思わぬ利益をもたらす伏線になっていたりして、彼女の外見からはうかがい知れない思慮深さを印象付けておりました。男女の関係を達観しているような嫉妬に関する考察と、その後の腕を絡ませてくる行動との落差が、知恵と無邪気さを併せ持つ彼女の魅力を際立たせていまいしたよ。
何種類もの銀貨が存在し、それぞれの信用度に応じて材料となっている銀以上の価値を有するといことで、前回持ちかけられた銀貨への投機がいかにして成り立つのかを説明するわけですが、ロレンスとホロによるテンポの良い会話で進むので退屈せず。提供された情報とは逆に銀の含有率が下がっていることが明らかになり、何者かが偽の情報を流して利益を上げようとしていることが仄めかされて次回へと続いたりして、派手なアクションがあるわけでもないのに、なんだかすごい盛り上がり。ちょっとだけファンタジーの入った中世を舞台にした経済フィクションの様相を見せてまいりました。