狼と香辛料 第6話「狼と無言の別れ」

銀貨の件に決着がついて、ひとまず大団円。ホロが去り、命を張った割には思いのほか利益が少なくてションボリというところから、再び二人で旅を始めるというのが広がりのある展開で、明らかになるタイトルの由来もなるほどと納得させてくれるわけですが、寓話に登場する悪魔をホロに置き換えてみるとロレンスの立場がちょっと複雑でもあり。一話で村長に見せられた銀貨をはじめとする複線がきっちり回収されるのも見事でした。
狼の姿となったホロを引き止めようとするロレンスのセリフが金銭に関するものとなっているあたりは、商人らしいといえばらしいんだけれども、同時に人間と狼という二人の微妙な距離を現しているのが面白く、セリフ回しのこだわりはさすがといったところ。ロレンスの殺害を支持するクロエについても、邪魔者を排除する商人としての打算か、それとも自分のものにならないのなら消してしまおうという女としての感情なのかが気になるわけで、シリーズ後半にも登場することに期待。