凄い作画について考えてみる試み

Yes!プリキュア5 GoGo!4話の超絶作画が、2ちゃんねるで話題になっていたことが、【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)で取り上げられていたんですが、意外に何が凄いのか分からないという意見が多く、凄いという立場を取る側からも、よく動いているからという程度の説明でしかされていない模様。オタクの端くれである自分としても凄いとは思うんだけれども、じゃあどこら辺が凄いのかと聞かれても上手く説明できないわけで、ここら辺の説明の難しさが年に一度くらいの頻度で同じ話を繰り返すネット上の作画論争の原因のひとつのような気もするので、がんばって文章化してみようと思います。(※画像はニュー速VIPブログにあったものを使わせてもらってます)
 
http://xrvxpa.bay.livefilestore.com/y1phtnFe0_Np9TxH2B5UI3Fw81eaEYqlexgKsWeLi8LxVIMhkmPxa9HnMLqBD6op6WKjyI3VGqso4Q/2c07207b.gif
うららが画面右奥から走ってきて立ち止まり周囲を見渡すカット。
立ち止まる瞬間の慣性を感じさせる全身の動き。必死に仲間の姿を探す表情を丁寧に描きつつ、徐々に加速していく回り込みが彼女の感情の昂ぶりを反映しているかのようで、大事なオーディションを抜け出して仲間の元に駆けつけるという、物語の山場にふさわしいものでした。
 
http://xrvxpa.bay.livefilestore.com/y1phtnFe0_Np9QXQE1dyPlWuhDgWUDmnYkue6by80g_BTrhgzJGoxbLHTIT9iQkZnpVnSrrAiJ0Yx4/13a8d38e.gif
プリキュアたちとスコルプのバトル。
空中を縦横無尽に飛び回るダイナミックなアクション。予想の出来ない方向から画面に入って来たりして複数の人物が常に別々に動いているにも関わらず、殺陣の組み立てが流れるような勢いがあって、ただ枚数を使って速く動かすだけでなく6人の登場人物の動きが非常によく考えられている印象。背景の処理によって加速感が与えられていることにも注目。うららが合流したことで劣勢だったプリキュア側が一気に反撃に転じることで、彼女たちの絆の強さを印象付ける場面となっておりました。
 
どちらにも言える事は、カメラ(実際には平面に描いた絵なので、作画担当の想定する視点になるわけですが)の位置にブレがなくて、対象との位置関係が見ている側にハッキリと意識できること。そしてカットのはじめでは固定されているカメラが徐々に動き始めて加速していくことで、実際のところ見ている人間は動いていないのに、見ている自分が動いているような現実と乖離した浮遊感みたいなのが感じられるものとなっておりました。これらに限らず動きが印象に残る作画というのは往々にして、視覚的な情報だけで身体感覚に訴えるものがあるように思いましたよ。
とまあ、いろいろと書いてはみたけれども、どうにもその凄さを説明できてなくて力不足を痛感させられるわけですが、画面の中の出来事がどのような位置から描かれているかを意識して、自分がその場所にいるつもりで見れば、作画の凄さというのが感じられるようになるのかなぁというのがとりあえずの結論ということで。