true tears 第9話「なかなか飛べないね」

比呂美の事故をきっかけにして、彼女と眞一郎の母親に和解が訪れるわけですが、最小限のセリフと引いた感じの視点から描かれるその過程が、それぞれの心の動きを見る側の委ねる作りとなっていて印象的。比呂美の身を案じて母親が自分の方から歩み寄るあたりは、落ち着きはらった父親とともに、大人の対応といったところで安心感のあるものでしたよ。その一方で、うろたえるだけで何もできず、さらに今回の件で乃絵との間に距離ができてと、眞一郎の無力さが浮き彫りにされて、本人の書く絵本と同様に飛べないニワトリである彼のがんばりに期待したいところ。
前回「雪の降らない街に行きたい」と言ってバイクに乗った比呂美が、雪のおかげで無傷で済むあたりは眞一郎の母親との関係の変化を象徴する場面といったところ。俯瞰とハーモニー処理の止め絵が多用された画面は、意味があるのかないのかよく分からなかったりもするんですが、独特の映像で面白かったですよ。