BAMBOO BLADE 第26話「"それから"と"これから"」

室江高剣道部のその後を描く最終回。意外な人物の産休発表があってその相手がまた意外な人物だったり、ダンが部長になっていたりといろいろな変化はありつつも、タマたちが剣道を楽しんでいることは変わらないということで爽やかな終わり方でしたよ。
ブレイバーの映画を見るタマと凛のリアクションが周りの小さいお友達と同レベルなのが面白く、駅での別れ際に劇中のライバルをお互いに認め合うという形で二人の関係を深めるのが芸の細かいところ。ラストでタマと新キャラが意味ありげに対峙するあたりは、続編への含みを持たせるいかにもな演出だけれども、聞くところによると原作に登場するライバルキャラらしいので、含みを持たせながらも原作へと話を繋げる意味もある模様。
見学に来る新入生に部と縁の深い人物を用意しつつ、二人を一話のユージとダンの姿にダブらせるのも手の込んだ見せ方で、退部した二人の後を継ぐみたいな広がりを感じさせるものでしたよ。復帰したコジローにキリノがものすごい勢いで飛びつくあたりは、やっぱりそういう感情があること思わせるもので、楽しいことはこれからだという屋台でのコジローと先輩の会話に、自分の器を悟りながらも前向きに生きるみたいなものが感じられて味わい深いものがありましたよ。
印象的な場面が多くていちいち挙げていたらきりがないんだけれども、剣道を通して脇役までふくめたすべての登場人物たちがさまざまなものを得たことが描かれるよい最終回となっておりました。

  • まとめ

剣道という闘うスポーツを題材としているにもかかわらず、相手を倒すことに血道をあげるみたいな熱血路線ではなく、あくまでみんなで集まってひとつのことに打ち込むことの楽しさや、それを通してそれぞれの人物が成長していく物語となっていたのが印象的で、見ているとなんだか自分も剣道をしてみたくなるような魅力がありました。
ちりばめられたギャグや独特のユルい雰囲気が楽しいところで、終盤の休部問題をはじめとする話は、ちょっと重すぎるような気もしましたが、それぞれの登場人物に突きつけられた課題を次の話で一気に解決する手際は見事で、それがあったからこその最終話での感慨があるんだろうなと思いましたよ。