true tears 第13話「君の涙を」

決断を下す眞一郎を中心として、登場人物たちが自分と向き合って新しい一歩を踏み出す最終回。
眞一郎と乃絵が別れる場面は切ないものがありましたが、乃絵のおかげで成長することの出来た眞一郎が、今度は彼女を励ますのは感動的で、半泣きでアブラムシの歌を歌うあたり見た目はカッコ悪いんだけれども、気持ちのすべてをさらけ出すみたいなカッコ良さがありました。涙を封印していた乃絵が、その場ではなく、春を迎えてから石を並べた文字の跡で涙を流すラストシーンも、彼女の失ったものや失ったことで得たものの重さを感じさせる演出となっておりました。
他の人物たちのその後も爽やかな視聴感を残すものとなっていたわけですが、妙に存在感があるのに本筋に絡んでこなかった坊主頭の少年が、跡取り候補になるのはちょっとしたサプライズで、このためにずっと引っ張ってきた芸の細かさに感心してみたり。

  • まとめ

登場人物たちのそれぞれが成長する青春物としてキレイにまとまっていた印象。
気になるところとしては、愛子と眞一郎の関係があまり掘り下げられず、三代吉の存在もあまり生かされてなかったり、比呂美の血縁問題と眞一郎母の件がアッサリ片付きすぎた感があったりするわけですが、自分や周囲と向き合うことから逃避していた主人公と、涙をなくして心を閉ざしていた女の子が出会うことで、互いに成長する物語としてはよく出来ていたように思いました。
舞台となる雪の街が美しく描かれ、ニワトリや絵本に登場人物の心情を反映させる手法も捻りがあって面白かったです。