Mnemosyne-ムネモシュネの娘たち- 第3話「花は涙を流さない」

前回から20年ほど時間が飛んで2011年が舞台。ケータイで株価をチェックしてたり個人情報保護法云々というセリフがあったりと、そこかしこに時間の経過を感じさせる一方で、燐とミミの姿がまったく変わっていないのが不死者を主人公とした作品ならではの描写といったところ。
どうにも陰が薄かった前埜が、渋めの中年になって家庭を持っていたりして、ようやく存在感が出てきたなぁと思っていたら終わり際に大変なことにあるわけですが、前回で濃厚なエロスを見せてくれた天使と不死者の設定を使って、今度は泣かせる場面を作るあたりにスタッフの変態性が垣間見えるものとなっておりました。ミミの絡みを前埜が見続けるというプレイもなかなかよろしくて、釘宮理恵のあえぎ声は希少価値が高いものでしたよ。
話的には連続爆破事件から細菌兵器の存在が浮かび上がり、それを使った陰謀を阻止するといったところなんだけれども、全体的に大雑把な印象。まあ、主眼は登場人物たちの関係におかれているようなので、それを描く背景として機能していれば十分なのかなと。
所長のカニアーマーがB級感溢れるデザインでしたが、その洗練されてない感じが微妙な近未来感を出していたような気がしなくもなく。冒頭の人物が画面を横切るまでたっぷりと時間と取ってから見せる爆発は、普通の作品の倍の時間があるこの作品ならではの贅沢な演出でしたよ。