RD 潜脳調査室 第6話「ラブ・レター」

情報の電子化が進んだ世界において時代遅れとなった紙媒体の本だけれども、物として存在するからこそ時間を越えて伝わることもあるということで、なかなか感動的な話でしたよ。本に挟まれていた封筒の謎が明らかになる場面は、ハルを待ち続けた寄贈者を通して、彼の失われた50年をミナモが実感し、視聴者にもそれを共有させるものとなっておりました。
切り抜かれた本による前振りも良く出来ていて、失われた部分がホロンによって一瞬で復元されるものの、話としての出来がイマイチなあたりは、後半でミナモが自分の脚で調べることで結末を知ることと対照的でした。切り抜かれた部分が抗議文に使われたという設定が、伏線のような気もするところですが考えすぎかも知れず。
ミナモが寝食を忘れて読書を続けたり、好奇心にまかせて行動したりする様子が可愛らしく、パジャマ姿を見せる場面には私生活を覗き見るよな気分になったりもしてみたり。
潜脳調査室とありながら今回もダイブがなかったりするわけですが、大変完成度の高い話となっていて満足の行くものでした。