紅 kure-nai 第8話「自愛と臆病と」

七五三のお祝いをする紫の元に忍び寄る九鳳院の魔の手ということで、紫と真九郎に先行きに暗雲が立ち込める話。
神社での五月雨荘の住人たちとのやりとりは、これから予想される厳しい展開を前にして最後の平和なひと時といったところ。帰宅途中での胸の大きい女が好きか云々の紫の発言には何を言い出すかのかと思いましたが、真九郎への好意を子供なりに伝えようとする様子が可愛らしかったですよ。寝る前の会話も、これまでにの丁寧な描写によって築かれてきた二人の関係の強さを再確認するものとなっていて、それだけに、この生活が失われることによる不安感を強調しておりました。
紫の父親が食事を取る場面での、妻と話しているようでいながら自分ひとりで納得しているだけといった様子や、父親に対する紫の兄の競争意識丸出しの物言いと、九鳳院側の血の通わない会話が五月雨荘の住人たちと対照的に描かれていた印象。父親は紫に対して親としての情を一応持っているらしく、連れ戻すことに積極的でなかったようですが、捜索の主導権が兄に移ったことで、紫と真九郎にとってさらに厳しい展開を迎えることなりそうですよ。