RD 潜脳調査室 第11話「純正律」

ヴァイオリニストとして将来を嘱望されていたという意外な過去を通して、メタルの開発責任者である久島という人物を掘り下げていく話。円周率を例にした説明が分かりやすく、技術を突き詰めるのではなくそれを応用して何かを作るという彼の生き方を描いていましたよ。怪我や技術的な才能の限界による挫折ではなく、ある程度まで上り詰めたところで自分の精神的な限界に気づいてそれを捨てるというのが、あまりない展開となっていて知的で冷静な彼の人物を浮き彫りにしておりました。
ヴァイオリニストとして大成してもなお久島を追い続ける後輩をミナモが励まし、一度は諦めた彼が再びヴァイオリンを手に取るところや、互いに尊敬しあう男の友情みたいなのが滲むハルと久島の会話が心に残るラストシーンでした。
ミナモが久島の後輩とはじめて出会う場面で細かい仕草をみせる作画が印象的。