RD 潜脳調査室 第12話「光のない朝」

ミナモが出会った女の子が、ハルたちの探す姿を消したアーティストその人だったということで、話的には特に捻りがあるわけではないんだけれども、それを通して描かれる視覚障害者の世界が興味深いところ。また見えるようになったことでその世界を失った彼女が、周囲の人々が受け入れてくれるにもかかわらず、元の場所に戻ることを選ぶという結末が、複雑な視聴感を残すものとなっておりました。
ミナモに相談を受けたハルが、失うことを受け入れて見える世界を選んだと答える場面での、自分の脚を見つめるカットが印象的。サブタイトルも秀逸で、義体やメタルといった高度に技術が発達した作品世界だからこそ描けるエピソードとなっていたように思いますよ。
ハルのセリフのおかげである程度は想像できるものの、ゲストの女の子が創ったメタルアートのすごさがイマイチよく分からないのが残念ではあるけれど、そもそも視覚で伝えるというのが無理な話なのかなと。「思ったより太ってるって言われたら」というユキノの発言には笑いつつも、あの世界でも彼女が太ってるの範疇に入っていることが分かって新たな世界観が開けたような気がしたりしなかったり。