RD 潜脳調査室 第19話「巡る雫」

水の循環による浄化能力の偉大さみたいな話。人間の生産活動の対極にあるものとして自然が描かれるということで、ちょっと理想的過ぎると言うか、バランスを取る見えないパワーみたいなものが強調されていて都合のいいところだけ描いていると言うか。人間の生み出した汚れを雨と樹が浄化してくれるということになっていて、まあそれも間違ってはいないんだろうけれども、たとえば熱帯雨林を一度伐採すると、雨で土壌が流されて荒廃する一方になるのは、どう説明するんだろうと疑問に思ったりしましたよ。
気象をコントロールしようとする技術と拮抗してノイズを発生するわけですが、一方で、その原因を探るべくダイブしたハルが、メタルの中で浄化能力の根源みたいなのに触れて、リアルで立ち上がることができたりして、科学技術によってそれに接触できるものとして描かれているのが興味深いところ。今回描かれた気象分子と自然との拮抗や、それによって発生するノイズでホロンをはじめとする電脳関係に生じる不調が、終盤で大きな事件を起こすことになりそうですよ。
作画監督に再び金子ひらくを迎えたわけですが、話的にむちむちした肉感が前面に出てくるものではなかったので、水着回の時のように凄いことにならなかったのが残念。維持モードに入ったホロンのうなじに、ソウタがためらいがちに触れる場面は、なかなかいい雰囲気が出ておりました。