テレパシー少女 蘭 第10話「蘭と翠と夏休み」

事件に巻き込まれるのは一休みして、蘭と翠の花火大会の一日を描くということで、ボーイフレンドと買い物をしたり一人で街を散策したりしながらも、お互いのことを気にかける様子に二人の友情の篤さが感じられる話でしたよ。
電話によるすれ違いを重ねたあと、花火大会の人混みの中で引かれあうように出会うところで、打ち上がる花火を背景として映像で二人の気持ちを伝えるのが叙情的でなかなかいい感じの場面。一日離れていただけでニュータイプ同士が通じあうみたいな画面になるのは、ちょっと大げさな気がしなくもないんですが、蘭と出会う前の翠や、出会ってからの彼女の変化を考えるとそれだけ大きな存在なんだろうなと。また放置されて横から二人を見つめるルイの立場はどうなるんだろうと思ったりもするんだけれども、ここら辺はおままごとのような恋愛よりも友達の存在の方が大きいお年頃といったところでしょうか。
友達と身の回りの出来事が世の中のすべてといった感じのローティーンの女の子の世界が丁寧に描かれたエピソードでした。
蘭が留守電にメッセージを吹き込む時の調子っ外れな歌に噴きだしつつ、それを上回る翠の歌の破壊力にめまいを覚えそうになったり。音がなければもはや何をやっているのか分からないほど白いものに画面を覆われたシャワーシーンには何もそこまで隠さなくてもと思ったりもしましたが、ここはむしろNHKの番組でそういう場面があったことに価値を見いだすべきなのかもしれず。蘭が花火大会の説明をするところは動かしすぎてオーバーアクションの気配もあったけれども、蘭の快活さが良く表れた場面でしたよ。