恋姫†無双 第12話「関羽、志を貫くのこと」

関羽が自分の進む道を選び取る最終回。ぱっと出のイケメンキャラによろめきそうになっていた彼女が、妹分や村の人々の危機を知り、男を捨てて救出に向かうということで、自分も含めた大多数の視聴者が望んだ良い終わり方だったように思いました。やっぱり女だけで構成された百合の世界に男はいらないなと。劉備が金と名誉にしか興味がないことが明らかになって関羽に捨てられた挙げ句に偽物であることを暴露されるくだりは、歯の奥に挟まった魚の小骨がようやく取れた時のような気持ちが良さがありました。
馬超の意を汲んで曹操が夏候惇を差し向けるのは、過去のエピソードが生かされた良い場面。土下座をするという肝心の場面でパンツが見えるのはどうかと思いましたが、まあ見えて損するものでもなし。仲間たちが次々と救援に駆けつけるのはお約束ではありますが、やっぱり盛り上がりましたよ。
バカは風邪を引かないは俗説とか趙雲のなけなしの精気とか、はわわと知略以外にさりげない毒舌という孔明のキャラが立ってきたところで終わってしまうのがもったいなく。趙雲が華蝶仮面になったこといきさつを説明するくだりが、まんまウルトラマンなのがくだらなすぎて笑いました。
アバンで漢軍に加わることを告げる場面が、セリフを言う人物ごとにカットが変わる上にレイアウト的にも凝っていた印象。最終回だけあって説明的な場面にも力が入っておりました。
全体としては、お約束の展開と脱力感あふれるギャグに動かすことを極力避けた安い作りが組み合わさることで、何とも言えないユルさのある作品となっていましたよ。サービスもふんだんに盛り込まれていて、たった1クールで終わってしまうのが残念だなと。とりあえずOVAの製作が決まっているようですが、出来ればこのままダラダラと長く続けて欲しいところで、旅を続けながら事件に巻き込まれる方向でいくらでも続けられるし、元ネタのおかげで登場人物もいくらでもいるわけだし。