喰霊-零- 第3話 「邂逅 砌」

第1,第2話の衝撃的な展開から一転、過去に遡って神楽と黄泉の出会いと二人の生い立ちを見せる話。母を失って心を閉ざした神楽に黄泉が寄り添うことで、二人が姉妹として結ばれる過程をユーモアを含んだ穏やかな雰囲気で描いていましたよ。
神楽が泣き出し、それを黄泉が受け止めるという場面を、帰宅途中の踏切の前という何でもないような場所に設定するのが良いセンスで、退魔という非日常に対しての人間的な感情が強調されていた印象。抱き合う二人に列車の接近を告げる踏切の音を被せたり、通りすぎる電車を挟んで見せるカットを入れたりと、あえて違和感を覚えるような描写するのは、後に一方が憎しみを抱くことになる展開を予感させる演出でしょうか。
視聴者を振り回すような展開が続いたわけですが、今回、中心となる人物を掘り下げるエピソードを持って来たことで、本筋となる物語が本格的にはじまるといったところ。二人がどのような紆余曲折を経て前回のラストのような展開を迎えるんだろうかと興味を惹かれる構成となっておりました。