魍魎の匣 第4話「火車の事」

加菜子の姉の陽子が何者かの恐喝を受けて女優をやめたらしいことや、主治医である美馬坂が「死なない兵隊」を研究していたことが明らかに。
彼女を脅していた人物と事件に背後にちらつく黒ずくめの人物、美馬坂の研究と姉が加菜子は死なないと断言したことと、それぞれが関連していそうなのが気になるところ。助手の須崎が死んで一転して加菜子の不死についての確信が揺らぐのも引っかかりますよ。
並行して起こる切断され箱詰めになった手足が次々と起こる事件と加菜子が消えた件との関係も指摘され、作中での出来事が網の目のように繋がっていくのが面白く。
加菜子が天に昇ったと語る頼子の表情が、現実よりも自分の信じる世界だけを見る人物のそれになっているのが不気味。木場と映画監督が語る場面で、突然映画監督の顔が逆さまに写るカットが挿入されたりするのが不安感を煽る演出となっているわけですが、単に奇をてらうだけではなく、上体を反らせた踊り子からの視点になっていたりしてちゃんと前振りをしているのが丁寧な仕事。
木場の見る火車の幻や美馬坂の研究に戦争の影がチラつくあたりは、作中の時代がちゃんと意味があって設定されていることをうかがわせるものでした。