魍魎の匣
CLAMPによる原案を元に西田亜沙子がデザインしたキャラクターたちが美麗で、陰惨な事件が続く物語に華を添え、かなり見やすいものになっていた印象。 映像的にも手間のかかったものとなっていて、CGによる加工が効果の施された画面は見応えのあるものでした…
複雑な展開を見せた一連の事件のすべてが、見事に収束する最終回。 すべての発端となった美馬坂の研究の、その動機が明らかになるわけですが、肉体を捨て脳を機械に繋いで生きながらえるという非人間的な研究の根底に、死への嫌悪や近親相姦に対する罪悪感と…
京極堂による事件の謎ときのはじまり。彼がほとんど一人で語り、周囲の人物たちが驚くという展開の繰り返しとなっているわけですが、これまでそれぞれの人物の視点からバラバラに語られていた物語が一つの流れにまとまっていくのには、引き込まれるものがあ…
久保俊公の死に続いて、木場が暴走するという急展開。 木場が美馬坂のところへ乗り込む理由がよく分からないんですが、絹子に関係することで、視聴者にはまだ明かされていない何かを知ったからということでいいんでしょうかね。直前に絹子のところを訪れてい…
京極堂による御筥様退治の巻。 陰陽道に対する深い造詣をもとに御筥様の細かい間違いを指摘し、それを積み重ねていくことで欺瞞を暴いていくわけですが、男同士が部屋に籠もって語り合うという地味な話を、ほとんど二話も使って京極堂にウンチクを語らせたの…
手袋の男の正体が、冒頭におかれていた小説の作者、久保竣公であることが明らかに。小説の内容との一致からバラバラ殺人の犯人の線が濃厚となるわけですが、そこにもたらされる頼子の両腕発見の知らせということで、事態は急展開を迎えるといったところ。 頼…
榎木津と木場が訪れることで、加菜子の失踪とバラバラ事件の情報が京極堂の元に集まり、両者の解決に向けて大きく動き出すといったところ。同時に頼子が白い手袋の男にかどわかされることで、犯人とそれを追う者たちとの直接対決に向けて物語が動く展開とな…
もうりょうについてのウンチクが面白かったですよ。 水の妖怪の類だったり死体を食らう鬼だったりと、どうにもとらえどころのない存在が、影の縁にできる薄い影というイメージを通して、この世とあの世の間にあるものの原初の姿として、統一されていくのには…
京極堂の超能力じみた発言の種が明されつつ、作品のタイトルである魍魎とハコの繋がりがはじめて示される話。 前回の発言の件は、説明されてみれば確かに不思議がないわけですが、その超能力の類かと思わせる彼の能力から、限られた情報を元にそれらを引き出…
いきなり明治時代の千里眼事件*1の話からはじまって、何事かと思っていたら、登場人物の一人がテレパシーか何かの持ち主であることに繋がって来るという。 フィクションなんだから長い前振りを入れなくても、そういうもんだということにしておけばいいような…
加菜子の姉の陽子が何者かの恐喝を受けて女優をやめたらしいことや、主治医である美馬坂が「死なない兵隊」を研究していたことが明らかに。 彼女を脅していた人物と事件に背後にちらつく黒ずくめの人物、美馬坂の研究と姉が加菜子は死なないと断言したことと…
事件後の頼子の事情と内面の描写に加えて、木場刑事が事件に深入りする理由が語られる話。 頼子が、母親に対して死ねばいいと言ってみたり、祈祷師の言うことを信じる母親を侮蔑し周りの人間がすべて愚かだと思い込んだりする一方で、自分では来世がどうのこ…
前回の幻想的な雰囲気から一転して、加菜子事件を発端として謎が謎を呼ぶみたいなミステリーな展開に。 加奈子の関係者たちの曰くありげなセリフから、事件が単なる女の子が列車に跳ねられただけにとどまらずに、複雑な背景を持っていそうなことが示唆されて…
京極夏彦によるヒット作のアニメ化。原作未読。 戦後間もない時代を舞台に、二人の女学生の作る閉じた世界を描くといったところですが、その映像の美しさが圧倒的。 舞い散る桜の花びらや、巨大な満月を背景に踊る二人といった幻想的な映像の中に、老いを恐…