魍魎の匣 第8話「言霊の事」

榎木津と木場が訪れることで、加菜子の失踪とバラバラ事件の情報が京極堂の元に集まり、両者の解決に向けて大きく動き出すといったところ。同時に頼子が白い手袋の男にかどわかされることで、犯人とそれを追う者たちとの直接対決に向けて物語が動く展開となっておりました。
頼子の母親が御筥様の信者であることを知った京極堂の狼狽ぶりが印象的。木場のもたらす情報によって、事件の全容がつかめるようですが、彼を狼狽させるほどの事件の全容が、どのようなモノなのかと期待させてくれます。
頼子の中二病はあいかわらずで、榎木津と関口に対するリアクションの違いに美しさを基準とする彼女の価値観がよく表れている場面。他の生徒達を話す価値もないと評したりする一方で、あいさつの声に期待するように振り向いたりして、彼女が孤独を抱えていることがうかがえるようになっていましたよ。
東京通信工業(現在のソニー)の馬鹿デカいテープレコーダーに対する登場人物たちのリアクションが作中の時代を感じさせるところで、関口の科学というオカルト云々の言葉から「高度に発達した科学は魔法と区別がつかない」というA.C.クラークの言葉を思い出してみたり。