魍魎の匣 第10話「鬼の事」

京極堂による御筥様退治の巻。
陰陽道に対する深い造詣をもとに御筥様の細かい間違いを指摘し、それを積み重ねていくことで欺瞞を暴いていくわけですが、男同士が部屋に籠もって語り合うという地味な話を、ほとんど二話も使って京極堂にウンチクを語らせたのは、このためだったんだなぁと納得しましたよ。魍魎がいるとかいないとかといったレベルではなく、あくまでその扱いについての批判となっているあたりは、人の心に影響を与えるものを自分に都合のいいように利用する事にたいする怒りが感じ取れるものとなっていて、ここら辺は湯飲みやようかんを使ったたとえ話と繋がっていた印象。はこと魍魎が、第5話のなぜここでその話がと思われた千里眼事件の挿話と繋がるのも意外な展開で面白かったです。
教主の前に出された関口がビビリ過ぎでちょっと笑ってしまいましたが、まあ他人を圧倒する教主の眼力を印象づけているのかなと。京極堂が足を踏みならす場面で、衝撃波みたいなエフェクトがかかっていたのも妙なインパクトがあるところで、彼の実演が教主を追い詰め、魍魎いう名の欺瞞を祓っていくことを象徴しているように思いました。
結局、遺体となって発見される頼子が哀れ。久保が捕まればすべて分かると、残る加菜子失踪の件も解決したかのように京極堂が語っていたわけですが、その久保自身がバラバラになるということで、再び事件が迷走をはじめるあたりは続きが気になる展開。