魍魎の匣 13話「魍魎の匣、あるいは人の事」

複雑な展開を見せた一連の事件のすべてが、見事に収束する最終回。
すべての発端となった美馬坂の研究の、その動機が明らかになるわけですが、肉体を捨て脳を機械に繋いで生きながらえるという非人間的な研究の根底に、死への嫌悪や近親相姦に対する罪悪感といった人間的な感情があるのが皮肉。思えば、はじまりの事件からして、友人にニキビという衰えを見いだしたことによるものだったりして、一連の事件が解明されたことによる開放感よりも、人間の業を突きつけられたことによるやり場のない感情が残るものとなっておりました。
尺の都合か、関口が久保の狂気に飲み込まれそうになったらしいことや、木場が美馬坂に殴りかかるあたりの流れが、唐突でちょっと分かりにくかったような気も。
久保の首を花火といっしょに打ち上げるところから、放送開始されたばかりのテレビの画面へと繋がるあたりは斜め上を行く展開で、まさかの劇中劇オチかと思ったりもしましたが、そこから加菜子の首を持ち出した雨宮の消息へと話が繋がり、関口が狂気に連なる列車から降りる映像となるのは、安堵感のある結末でしたよ。