黒神 The Animation 第1話「三位一在」

ドッペルゲンガーや世の中には同じ姿をした人間が3人いるといったフォークロアを下敷きにして、世界を影から操る組織と戦うみたいな作品になるのかな。
他人と深く関わることが出来ない少年の視点で話が進むわけですが、その原因となった母親をはじめとする身近な人間の死を何度も経験していることが、作品の世界の構造と直結しているのが上手い設定。巻き込まれ型ではあるけれども、いやがおうにも物語に関わることになる動機を与えるということで、良く出来ていましたよ。生き残ることで運を吸収するという東洋思想の薫りが漂う設定は、原作マンガの原作を韓国人が担当していることから来るのかなと。
純朴な感じだけれども闘うと強いというヒロインは、ありがちながらやっぱり魅力的で、ラーメンを一口で食べるところは、彼女の可愛らしさを印象づける場面。バットを持った男とのバトルも力が入っていて、長いカット割りで大きく回り込みながら攻撃の応酬を見せるところから、格闘ゲームのような空中コンボを決める流れは痺れましたよ。
主人公を慕う女の子まであっけなく、しかも事故現場の血痕まで念入りに描写した上で死なせるのは悪趣味ではありますが、一度見たら忘れられないという意味で作品を印象づけるものとなっておりました。
世界を操る組織と闘うというのはありがちな設定ではありますが、独自の味付けがなされているのが興味深いところで、アクション的にも力の入った作品となりそうなので期待。