WHITE ALBUM 第2話「ずっと前から仕組まれてた、そんな出会いって、信じる?」

前回に続いて、主人公のところに女の子が吸い寄せられるかのようにと近づいてくる話。一人ははじめから付き合っているし、他もほとんどが元から顔見知りという設定になっているとはいえ、攻略対象になっていそうなキャラ全員と、今回までにフラグが立つのは、主人公がすごいというか話の進め方が上手いというか。
さえない主人公がもてまくるのはギャルゲー的なお約束ではあるものの、やっぱりリアリティがない設定。でも、ちょっと陰気に思えるくらい落ち着いた画面作りと、チーズケーキを口に運ぶとことをはじめとした細かい仕草を丁寧な作画でもって、見せられると妙なリアリティがありますよ。登場人物たちのデザインが、リアルの人間の頭身に近いのもポイントでしょうか。
今のところ主人公と先輩と友人、主人公と彼女と売れっ子アイドルという二つの三角関係にによって緊迫感が高まっている状況で、特に前者の関係の中で使われた本音を文字で浮かび上がらせる演出が印象的。チーズケーキの件でからかう主人公に対して友人がいらだちをつのらせる場面や、友人の作ったケーキの件を伝えようとして先輩に電話をかけたのに、結局伝えられないままズルズルと自分たちの会話を続ける場面は、何気ない日常の中に重いものが感じられるものとなっておりました。
実家に帰ってきた売れっ子のアイドルが、まくし立てるような長いモノローグや、主人公と背中合わせに座っていた自転車の娘が立ち上がる場面で、座っている間に流れていた雰囲気のある曲が、オチをつけるかのように短い和音を鳴らし終わるのが印象的な演出でしたよ。携帯電話が普及していない時代設定を逆手に取るかのように、頻出する固定電話によって物語が展開していくのも面白いところ。
1話では、ギャルゲー的な設定と映像面での重厚さが噛み合ってないように思えたけれども、二話目ということで見る側としても方向性がつかめてきたせいか、大部ついて行けるようになった印象。優柔不断な主人公がもたらす多角関係を、どう料理してくれるのか楽しみになってきました。