まりあ†ほりっく 第1話「戯れの接吻」

女装して女子校に通う男の子と、男嫌いでレズな女の子が一つ屋根の下で暮らすということで、かなり虚構性の高い設定でしたが、出会ってから同居することになるまでを、ギャグを交えながら一話かけて丁寧に描写するので、特に無理を感じることもなかったですよ。
まったく異なるように思える二人だけれども、男の身体を持ちながら女として生きる主人公と、女の身体を持ちながら性的嗜好は男そのものという、心と体がズレている二人がお互いを理解していく過程をコミカルに描くことになるのかなと。転入してきた理由が実にわかりやすいヒロインに対して、女装してまで女子校にかよう主人公の目的が物語の核心になりそうですよ。
シャフト制作、新房昭之監督の作品としては、奇抜な演出もなく全体的に平易な作りでしたが、ヒロインの心の声を、ちびキャラを画面に入れて言わせるのが面白いところ。内面描写であることがわかりやすく視聴者に伝えて、かつ画面に変化を持たせたり、話のリズムを作ったりと、この作品を特徴づけるものとなっていましたよ。同じく新房監督作品である、ぱにぽにだっしゅでも似たことをやっていましたが、今作では登場人物の心の声ということで、使いどころがハッキリしてより洗練された使い方となっておりました。同居を強制され、ヒロインが不幸な身の上を嘆く場面で、ステンドグラスを背負わせるのも印象的。
EDがYMOの「君に、胸キュン。」だったりするのは、なぜここにそれを持ってくるんだ的な意外性がありつつも、けっこうハマっていましたよ