とらドラ! 第19話「聖夜祭」

クリスマスパーティ当日ということで、華やかな雰囲気が醸し出されているわけですが、その中で人間関係が大きく動くことになるという。
髪型を変え着飾った大河や竜児が見目麗しく、パーティのはじまりと、竜児にとって勝負となるその時を迎えるに当たっての期待を高めてくれましたよ。大河と亜美によるデュエットソングというサプライズも用意されていたりして、舞台となるクリスマスの雰囲気を大いに盛り上げるものとなっておりました。
華やかな雰囲気の中で描かれる大河と実乃梨、そして竜児の関係は重い展開。大河と実乃梨が親友であるが故に、お互いの気持ちに気づいて竜児を譲り合うことで、ややこしいことになっているわけですが、譲られている本人はそこら辺のことに気づいてないのは悲劇というか喜劇というか。
結果的に竜児が実乃梨に振られることになるんだけれども、その時の彼のリアクションが大変軽い感じで、自分から話を切り出して竜児を振る実乃梨や竜児を送り出した後大泣きする大河の複雑な胸中を考えると、当事者の一人であるにもかかわらずカヤの外にいるように見えましたよ。
前回に続いて亜美から、大河に対する態度が父親のそれであることが問題だと指摘されつつも、今回も竜児の反応は描かれず曖昧なままに。言ってる意味が理解できないから反応しないのか、それとも分かった上であえて徹しているのか気になるんだけれども、一人で部屋にいる大河の元に着ぐるみ姿で現れ、サンタクロースとして振る舞って彼女の望みを叶えるあたりは、分かった上でそうしているようにも思えるところ。
大河が竜児を部屋から追い出して実乃梨の元へと向かわせる場面は、その後の大河の涙にあるように、これまでの関係を打ち切ることを意味しているわけですが、竜児にとっては実乃梨に加えて大河からも拒絶でもあるわけで、曖昧な態度から来る当然の帰結かなと。この先、彼がどう動くのかが物語の中心になっていきそう。
全体的に力の入った作画となっていて、特に大河と亜美がデュエットするところや、大河が子供のようにはしゃいで着ぐるみにじゃれつく場面そしてその後の大泣きと、表情づけや人物の全身を使って見せる芝居が大変すばらしく。その時の人物の感情が、絵を見るだけでも伝わってくるようになっておりました。演出としては大河がマフラーを見て涙が止まらなくなる場面や、竜児を振る場面で実乃梨が、終始うつむいたまま帽子で目を隠しているのが印象的。
これまで仕込まれていた問題点が表面化するということで、なかなか辛い話ではありましたが、同時にそれをどのように解決して見せてくれるのかという期待を持たせてくれるものでもありました。