続 夏目友人帳 第8話「不死の想い」

人魚の血で他人を不老不死にしたことと、偽物の血を渡したことの二つの罪悪感、そしてそれによって生じた心の傷が、夏目の奔走によって数十年の時を経て解消される話。
老婆の罪の意識が人魚の血を飲ませた相手に向かっていて、人魚本人に対してではないあたり、少し変わった話の流れ。そのため人魚の罪悪感と心の傷が一方通行になっているんだけれども、人間にとってはいるかどうかも分からない妖怪の類よりも、同じ人間の方が大きい意味を持つということで、妖怪という存在の寂しさを描いているように思いましたよ。
夏目が名前を返した瞬間に老婆と人魚が再びまみえるわけですが、明確に描かれるのは、老婆が人魚の笑顔を見たことだけで、人魚の気持ちがどの程度伝わったのか判然としないまま終わるのは複雑な視聴感を残すものとなっておりました。